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2012.11.14

日本一周を果たした土居くん

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「特別な達成感や感慨はないんです」

この着物姿のいい男。彼の名は「じてんしゃ図書館」の土居一洋(どい かずひろ)くんと言う。この11月10日に7年10ヶ月を費やし全国の図書館を回り終えてこの岡崎に戻ってきた。(読売新聞記事:環境問題訴え 全国行脚7年10か月 自転車図書館 ゴールへ

その偉業を果たした土居くんが昨日アウベルクラフトに遊びに来てくれた。彼に会って最初に聞いたことは「やり終えたという達成感を感じたかどうか?」ということだった。

僕らの予想に反して彼は
「自分でも不思議なんですけど、全く達成感とか感慨のようなものがないんです」
顔色も変えずに涼しい顔でそう言った。

彼は徳島の出身で高校生の時は自然の中で遊ぶのが好きで、環境保全についてもとても興味があった。新聞の切り抜きをスクラップしたり、シンポジウムに行ったり、道ばたのゴミ拾いを自発的にやったり、タンカーの重油事故のボランティアにも行った。そういうことを真剣に取り組んでいたけれど、それを将来どう仕事に結びつけて良いかわからないまま就職した。それが愛知県だった。

いろいろな仕事をしていくうちに、バーテンダーになったことがある。当時は飲酒運転で悲惨な事故があちこちで起きていた。それを見かねて、飲み屋に車で来るのではなく、歩いて行ける所までお店を引いて回われば飲酒運転が減るのではと、トレーラーハウスの「移動式のバー」をやろうと準備をしていた。そんなある日、偶然本屋で「百年の愚行」という本に出会い。頭をぶん殴られたような衝撃を受けたのだ。

その時に、自分が高校生の時の自分の生き方、自分らしさを見失っていた悔しさがこみ上げてきて、居ても立ってもいられなかった。この本を3冊買って友達にあげたら誰も知らないと言われた。岡崎の図書館に行ったらこの本が置いてないことが分かり、置いてもらうように頼んだのが始まりで、移動式バーのことより、これは自分が全国の図書館を回ってこの本を広めなければと決意したのだ。(後に彼と会ってその話を聞いて、これは僕も見なければと岡崎の図書館に行ったら、当然のことだが彼が頼み込んで置くことになったというその本があった)

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途中から自ら自転車図書館になり、移動しながら本を貸し出す活動も始めた。貸し出すと言っても返してもらうということではなく、他の人にどんどん回して欲しいということで、それも素晴らしいアイディアだ。読売新聞に載ってる水車は自作なんだけど、総重量150キロ。これを引っ張って全国を移動するとは本当にすごい男だ。一見そんなふうに見えないよね。

いろんな人との出会いや遭難事故、傷害事件などの生々しい話や、彼がこれからやろうとしている夢というより計画についてもいろいろ語ってくれた。そして僕たちが経験したこと、そしてこれからやって行こうとしていることについても彼は素直に耳を傾けてくれた。あっと言う間に3時間以上が過ぎた。何だか幸せだなあ。僕たちはいろんな素敵な人に出会えて本当に幸せだなあ。

土居くんが最初に「達成感は感じない」と言ったのは、旅が終わって次にやることがはっきり見えたから、達成感を感じているより、次にやることに気持ちが向かっているからだ。僕たちはこれから彼がやっていこうとすることにできるだけ協力し、実現できるように応援しようと思う。

YouTubeに彼の動画がありました。文字で書くより分かりやすいと思います。

僕のブログで土居くんについて書いた過去の記事もありますのでご覧下さいね。

2006.12.13 じてんしゃ図書館あそブック
2008.03.28 じてんしゃ図書館の土居君との再会
2008.07.21 自転車図書館の土居君が突然やってきた。
2011.11.03 「じてんしゃ図書館」の土居くん

11月16日の岡崎経済新聞にも掲載されました。
「じてんしゃ図書館」岡崎でゴール-全国2640カ所の図書館巡る

Wikipediaにも彼のことが詳しく書かれていましたので、こちらもご覧下さい。
土居一洋 - Wikipedia

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