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2019.02.06

FMきりしまで「コーヒー焙煎キット」にまつわる物語の放送

【若尊(わかみこ)渚にて】

マーベルみなさん、こんにちはマーベルです。
2019年1月8日「FMきりしま」の番組【趣の扉】で、アウベルクラフトのコーヒー焙煎キットにまつわる物語が放送されました。とても素敵な物語なので、ぜひご紹介させていただきたいと思います。もちろん、この物語はすべて実際にあったことです。今でもそのときのやりとりをはっきり覚えていますよ。放送の内容をよりイメージしやすいように、原稿をそのまま紹介させていただきます。


Wakamiko_01


題名【若尊(わかみこ)渚にて】

○音楽ーーーF.I
   遠くで 微かに聴こえる「ルイ アームストロング」の♪ホワット・ア・ワンダフル・ワールド。※(音楽音量は徐々にアップされて)

語り  「鹿児島県霧島市の想い出を
     お話したいとおもいます」
 

 僕らは 愛知県岡崎市で 様々な手作りキットを製作する「アウベルクラフト」という会社を1992年に設立しました。 作り手である僕たちの作る作品は 実に遊び心満載で とても小さな物ばかりですが 至って本気で拘(こだわ)る 職人気質があると自負しています。 僭越(せんえつ)ながら これ迄に生み出した商品の数々を 御紹介させて頂きます。 

独り 部屋でも愉(たの)しめる和風感満載にして 乙(おつ)な雰囲気が漂う 昔ながらの囲炉裏(いろり)。 これが大人気で 多少製作に時間を要しますが 作る側としては 設置場所を想像しながらの製作課程が 何とも まあ~ 実に愉しい。 

あるいは 想像以上に組立分解作業も簡単な 本格的な檜(ひのき)を素材にした 臨場感溢れる露天風呂キット。 勿論 これは御自宅の庭先でも御使い頂けますし 大自然の中で組み立てて 秘境感を味わえたり 秋の夜長(よなが) お月見しながらの露天風呂は ひとつ上をいく とても格別贅沢(ぜいたく)な時間かと。 

「こんな事が出来るんだ」・・・と好評な 燻製(くんせい)キットは 極めて小粒(こつぶ)な作りながらも 本物の熟成された 濃厚な味を御堪能(たんのう)出来るンですよ。 はたまた 自家製ワインやビールを製造出来るものや 珈琲専門店でなくても自分の家で珈琲の生豆(きまめ)を焙煎して 本格的な自家焙煎珈琲を頂ける珈琲焙煎キット等々。


ある日 工房兼事務所へ こんな電話がかかってきました。 
僕がたまたまその電話を取り 話始めて ただの問い合わせかな と聞いていたのですが 受話器の向こうから 高揚した声が聞こえてきたンです。

○アウベルクラフト作業工房兼事務所
   天井は高く 広々とした中に 事務机がポツンとある。

○机の電話 着信のベルが鳴り響いて。

   「はい もしもし アウベルクラフトです」
   「あーもしもし。 今ですね 九州の鹿児島 霧島市からかけています」
   「はい! 何か?」
   「あの・・・ 注文していた珈琲焙煎キットが 一週間前位に届いてですね」
   「あー それは良かった。 ありがとうございます」

送ったキットに 何か不足した物があったのかなあ と思いながら聞いていると

   「今 霧島市のですね お気に入りの渚にいるんですよ」
   「はあ~・・・」
   「目の前が 錦江湾ってゆう内海(うちうみ)で 風も波も穏やかな。 遠くに桜島が見えて」
   「はい」
   「この渚 若尊渚って勝手に名付けて この渚で珈琲の焙煎をしたかったんですよ」
   「そう言えば 波の音が微かに・・・」
   「でしょ!。 ここで 若尊の渚で焙煎した珈琲 今自分で淹れて  飲んだら凄く美味しくて 旨くて 
    なんて幸せなんだろうって・・・ そう思ったら 電話・・・かけてしまって スミマセンお仕事中に。 
    ホントにありがとうございます こんな素晴らしい焙煎キットを作って下さって」

   「・・・あー はい それは良かったです 喜んで頂いて」
   「いやあ~ 本当に美味しいんですよ 景色も凄いし 珈琲美味しくて」


実は僕 この時鼻の奥から つーんと込み上げる想いが溢れ出て これだけ言うのが精一杯でした。 何せ 僕らの作った品物を そんなに喜んで頂いて 感動した思いを電話で下さるなんて事が初めてで 電話で話を聞きながら その若尊渚の場景が ありありと目に浮かび 僕の方こそ感動していたンです。

とかく世間では 経済経済と声高(こわだか)に叫ばれておりますが 僕らが取り組んできた事は この経済とは程遠く 自分の時間をジックリと味わい ゆったりと過ごして頂きたい想いがあります。 

世の中の流れとは 明らかに逆行した生き方かもしれませんが 地道に骨骨(コツコツ)と やっていれば経済は後からついてくるもので 何とかなります。生意気かもしれませんが 文化というものがあってこそ 経済は支えられていると思うンですね。 これって逆じゃあないンだなあ。

大手の大企業や 最新鋭の機材を使っての大量生産には決して及びませんが 僕らは手に「ささくれ」を作りながらも一個づつ仕上げています。どうか皆さんも 僕らがこの工房で創りだす小さな幸せで 人としての本当の豊かさを体験し 極上な時間を是非味わって頂きたいと。

○音楽ーーーF.O
   静かに消えていって。

                (了)
            小田好一。


Wakamiko_02

この写真はその若尊(わかみこ)渚です。こんな素敵な場所で、雄大な景色を眺めながら飲むコーヒーは、さぞかしおいしかったことでしょうね。

若尊


この物語で登場す若尊渚というのはこのあたりになります。小田さん、ほんとうにありがとうございます!

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